光速の時代には重力波コンピューターで未来の偉人たちと競争する時代が来る

光速の時代には重力波コンピューターで未来の偉人たちと競争する時代が来る

注意事項

本記事は未来における技術革新の可能性を検討、技術のフレームワークを経営に応用することについて思索している文章であり、2025年現在における確立した技術について記載している専門的な記事ではありません。

1. 理論上の光速定数を常に維持できる唯一の波、重力波

重力波は現在観測されている中で唯一「物質の影響を受けず、純粋な光速で移動できる」情報キャリアである。現実世界では、真空中の光ですら厳密には定数としての光速 c(2.99792458×108 m/s) から僅かに遅れる。現在観測可能な中で唯一「物質の影響を受けず、厳密に光速で伝播する」とされているのが重力波である。

重力波は、一般相対性理論に基づいて予測され、2015年に アメリカ、ハンフォードとリビングストンにあるLIGO(Laser Interferometer Gravitational-Wave Observatory) によって初めて直接観測された。この観測結果により、重力波は宇宙を138億年にわたって減衰することなく伝播し続けることが確認された。

1-1.重力波コンピューターは実現しうるのか

本記事では、遠い未来に、あらゆる情報通信技術が発展したのちの終着点として、重力波を計算リソースとして利用する可能性を考えてみる。重力波は、時空そのものの歪みとして発生するため、媒質や物質の影響をほぼ受けず、宇宙のどこにいても「純粋な光速」で伝播するという、電磁波とは別の次元の性質を持つ。これは、従来のコンピューターが利用する電子や光子(フォトン)とは異なり、情報処理において「計算結果を物理空間や時間的な制約なしに遠距離へ伝送できる」可能性を意味する。

2. アインシュタインの光速の定義と重力波との違い

2-1.アインシュタインの観測した光の速度は「光速」ではなかった

アルベルト?アインシュタインは、特殊相対性理論(1905年)および一般相対性理論(1915年) において、「光速(c)が物理的に到達可能な最速の速度である」と定義した。この定義のもとで、彼は 「光速に到達できるのは光(電磁波)のみであり、すべての物理的な情報は光速を超えることができない」 と考えた。しかし、この時点でアインシュタインは 「光」、「電磁波」、「重力波」との違いを厳密に峻別していなかったと思われる。したがって、世の中の科学、物理の文章に触れると、Speed of lightという単語の定義に大きく揺れがあるということがわかる。(例えば「半導体」と日本でいうと、電気抵抗を持つ半導体のことや、チップ、業界、製造装置や検査装置など、かなり定義に揺れがあるのと同様だ)

2-2.光ファイバーを通る光は光速定数よりも遅い

重力波以外の観測される光(可視光線、赤外線、X線など)は、光速定数 c に厳密に一致するわけではなく、物質との相互作用によって遅れることが観測されている。

例えば、光ファイバーを通る光は、屈折率 nによって速度が減速し、真空中の光速 cの約 70%(c/n) にまで遅くなる。また、実験的に観測された事実として、ニュートリノは光ファイバーを伝わる光よりも速く移動することがあるが光速の定数よりは遅い。 このことから、アインシュタインが「宇宙の究極の情報伝達手段」として定義した「光速」は、現実の光とは異なる。

3.地球人類の言語体系は真の光速定数(メタセマンティクス)に触れたことで飛躍した

アインシュタインが定義した「光速」は、マックスウェル方程式に基づく電磁波(光子)に適用されるものであり、後に発見された重力波にも同じ光速が適用されることが理論的に証明されたが真の光速がLIGOにより観測されたのはほんの最近、2015年9月14日9時51分(UTC)だ。地球人類の言語体系は真の光速定数に触れたことで大きく概念的に飛躍したと考えられる。

3-1.理論上の光速定数の速度が出せる光はこの世に存在しない

質量を持たないとされる光子(フォトン)は真空中であれば光速定数のcの速度で動くと定義されるが、古典的な真空は実際には存在しない。古典的な真空理論はすべての物質(分子?原子?プラズマなど)が存在しない空間を真空と定義するが、近代的な量子論的真空は物質だけでなく、量子的な場の揺らぎすら存在しない状態であり、宇宙には「完全な純粋真空」は存在せず、フォトンは常に極微小な影響を受けるとされる。したがって、理論上の最大速度をフォトンが実現することはない。理論上の最大速度を出すことができるのは場そのものである時空であり、これが重力波として観測されている。

3-2.本当の「光速」には時間がない(または無限)

光速の70%の速度で移動する光ファイバー内で 1 秒経過すると、光の主体的な時間である1秒は地球時間では約 1.387 秒となる。例えばニュートリノの速さは光速の99.99%であるが、これもローレンツ変換を使うとニュートリノの1秒は地球時間の71秒に相当する。一方で重力波は光速定数と同じ速さであるため、重力波の1秒は地球時間の無限である。(つまり、宇宙の誕生から終わりまで時間が経過しないということになる。)理論上の「光速定数」と同速であり、無限の時間を持つ究極の現象である重力波は、これまでの量子論や電磁波とは全く次元の違う現象である。

4. 重力波コンピューターによる未来予測の可能性

4-1.重力波コンピュータができる場合の情報伝達媒体

もし重力波を計算リソースとして活用できるならば、理論的には「重力波コンピューターは自然物が載っている時空間そのものを計算資源として利用し、あらゆる過去から未来、宇宙の隅々までを検索することが可能 になる」。このコンセプトを「重力波コンピューター」と呼ぶとしよう。重力波コンピューターができて、「時間と空間を直接的に演算資源として扱う」場合、情報を重力波にエンコードし、計算結果を重力波で伝送する。重力波の振る舞いを記述するためのプログラミング言語やデータベース言語も必要になるだろう。計算にかかる時間は光速定数で伝送される情報となり、事実上、宇宙のどこからでも未来であっても過去であっても瞬時に演算結果を取得することができる

5. 重力波検知装置(LIGO)の大きさと制約条件

現在、重力波の観測には、LIGO(Laser Interferometer Gravitational-Wave Observatory) のような巨大な装置が必要である。ブラックホールの衝突レベルの極大重力波を捉えるだけでも、4kmのアームが二つ必要であり、10 km2の敷地内で、地震?車の振動などの外部の振動を最小限に抑えるため、都市部から離れた場所 に設置せざるを得ない。

LIGOの大きさ

  • アメリカの2箇所(ワシントン州?ルイジアナ州)に設置
  • 片腕の長さ:4 km(レーザー干渉計の鏡を配置する距離)

小型化の課題

  • 重力波の波長は 数百~数千 km なので、通常の電子回路のようにミクロな制御ができない。
  • 計測精度を維持するためには、極限的なレーザー干渉計の精度 が必要。

現状では、重力波を検出するだけで10 km2の敷地上に巨大なインフラが必要であり、小型化には未知の技術が求められる。しかしながら、パーソナルコンピューターも、最初は部屋全体を占める巨大な計算機だったが、現在ではスマートフォンに収まるまで小型化された。パーソナルコンピューターにおける半導体技術のような革命的な進化が重力波観測技術にも起これば、小型の「パーソナル重力波コンピューター」が登場する未来もあり得るのだろうか?

6. 重力波コンピューターの技術的課題

重力波コンピューターの技術的制約条件を検討する上で、現在の汎用技術の技術上のボトルネックとブレイクスルーが必要な分野を確認してみる。

6.1.半導体の物理的制約条件

半導体の微細化は、半導体のトランジスタ密度が約2年ごとに倍増するムーアの法則によって進んできた。現在の最先端の半導体技術(TSMCやIntelの2nmプロセス) では、トランジスタのソースとドレインの間のゲート長は約 2nm(ナノメートル)。一方、銅の原子半径は約 0.128 nm であり、配線の最小幅は数十個の銅原子で構成されるレベル に達している。これ以上小型化すると、量子トンネル効果 により、電子が制御不能になる。微細化すると、同じ面積内にトランジスタを詰め込めるが、その分発熱が増加 し、冷却が難しくなったり、配線が極端に細くなると、銅配線の抵抗増大により電子の散乱(表面散乱) が発生し、電気抵抗が増大し、信号伝達が遅くなる。電子は銅原子よりはるかに小さいため、銅原子よりももっと小さい半径を持つ導体があれば微細化は可能。銅より小さな原子を持つ導体で実用化可能性があるのはカーボンナノチューブ(CNT)やグラフェンのようなナノ材料。だが、調達コストや加工コストの問題があるため、すぐに解決できそうな課題ではない。

6.2.量子コンピューターと重力波発生装置の共通する技術的制約

量子コンピューターは、量子ビット(qubit)の「もつれ」や「重ね合わせ」を利用して古典コンピューターでは解けない問題を解決する。しかし、量子コンピューターには 「デコヒーレンス」(外部環境の影響で量子状態が崩れる現象)「スケーラビリティ(拡張性)」という根本的な課題がある。量子コンピューターのマテリアルはアルミニウム、シリコン、ダイヤモンド等であり、絶対零度(-273.15度)に近い極低温でないと作動しないものから室温で作動するものと種別に応じて動作環境には条件があるが、特に、量子ビットを安定して維持するためには材料の特殊条件や強力なアイソレーション技術が必要であり、大規模化が難しい。

6.3.重力波コンピューターの技術的制約条件

量子コンピューターと同様に、重力波の発生?制御にも 「局所性」 や 「デコヒーレンス」 に関連する問題がある。現在の重力波発生装置は 高エネルギー環境(ブラックホール合体、超新星爆発など)で自然発生するものしか観測されておらず、意図的に制御?生成する技術は確立されていない。もし仮に人工的に重力波を発生させることができたとしても、量子コンピューターと同様に 「外部環境の影響を排除し、ピンポイントで精密な制御を行う技術」 が必要になると考えられる。

また、半導体のマテリアルが、銅の原子サイズによる限界を迎えているのと同様に、重力波は質量を持たないため極小であり、原子、クオーク、ニュートリノよりも小さい力である。これが人類に認知可能な状態で制御できるかはチャレンジングな課題だ。

  • 例えば、半導体コンピューターは シリコン、炭素、銅 を使い、分子レベルで電子を制御しているが、重力波のような極小の力を制御できる物質はまだ発見されていない。
  • 現在LIGOはL字型の4kmの2つのアームのレーザー干渉計(Michelson Interferometer))を用いて重力波を検出する。重力波が通過すると、空間の伸縮によってアームの長さが約10^?18m(原子核の1/1000以下)伸び縮みするので、2つのアームの長さの微小な変化をレーザー干渉計で検出している。つまり時空の変化を間接的に計測している。

6.4.重力波の利用制御に関する課題

仮に重力波発生装置や検知器が実現したとしても、重力波は時空そのものの歪みとして発生するため、従来の電子回路のように「トランジスタのON/OFF」のような単純な信号処理による制御が難しい。また、重力波はとても小さな力であるため、小型化した場合に観測精度の問題が出るだろうし、天体の衝突などのイベントの発生源の特定も課題であろう。したがって重力波コンピューターは「計算能力」以前に「制御可能な計算手段として確立できるのか?」という根本的な問題を抱えている。

しかし、人類は粘り強い、未来の偉人たちが仮にこれらの制約条件を全てクリアして、重力波コンピューターがすでにできていたとしたらどうだろうか。

7.重力波コンピューターの性質

7.1.重力波コンピューターが実現すると、未来が過去をアップデートすることになる

理論上、重力波を利用した計算が可能になった場合、時間や空間を超えて過去?未来の情報を検索することができるようになる。むしろ、未来において重力波コンピューターがすでに確立していた場合、現代に対してすでに影響が来ている可能性が高い。重力波コンピューターの性質からすると以下のようなアクションが想定できる。

  • 過去の発明家や科学者が残したあらゆるアイデア に対して、現代から過去に対してアップデートするよう働きかけることができるようになる。
  • 未来の天才たちが生み出すアイデアや技術を認知し、それに先んじて現代の理論を変更することができる。
  • つまり、過去と未来が相対化し、現在の選択によって過去や未来に影響を与えることができる
  • 逆も然りで、未来を先読みし、未来を変更させ、現代や過去に影響を与えることもできるようになる

7.2.重力波コンピューターにより、過去の偉人に働きかけることができる

またこのようなことも想像される。

1905年の相対性理論発表時のアインシュタインにアクセスして、2025年の現代において通用しなくなった理論を修正させ、やはりアインシュタインはすごかったという風に理論を再構築させる。

このようなことが可能になるとすると、時空というのはクラウドソフトウェアのようなもので、未来や現在の意見を踏まえて過去も変わるし、過去、現在、未来が同時に成長し、アップデートしていっているのではないかという、時空論と宇宙論に対する仮説も生まれてくる。過去によって現在を変えることができるし、未来を想像して現在の行動が変わるので、過去、現在、未来は相互に影響を与え合っていると言える。影響があるのであれば何かしらの力が観測できて当然だ。近い未来には時空間で異なる地点同士で影響を与える力が発見されるかもしれない。

7.3.クラシカルなfutureではなく、新たなmeta-futureの概念が生まれる

従来の「Future」(クラシカルな未来)は 現在の時間軸の延長線上にあり、エントロピーの増大法則に準じて過去→現在→未来の直線的な流れに沿って発展する。しかし、時間が相対的であることを考慮すると、「過去?現在?未来が相互に影響し合い、すべての時間が同時にアップデートされる」概念="Meta Future" は理論的に考えられる。 例えるなら、クラウドソフトウェアのアップデートのように、時間全体がネットワーク化され、全時点が相互に更新される。これをMeta futureと名付ければ、クラシカルな時間概念はネットワークモデルとして高次化されたメタ時間の配下に配置されることになる。Meta Future は、「時間のネットワークモデルによって生まれたMeta-timespace semantics」 として捉えられる。

8.meta-timespace semantics

8.1.メタ時空セマンティクス

meta-timespace semantics, つまりメタ時空セマンティクスがあると仮定すれば、未来?現在?過去の情報を同時に更新する「時間のフィードバック?ループ」が形成され、時間は相互にフィードバック可能なネットワークであると定義づけられる。

8.2.meta-timespaceにおけるmeta-sales&marketing

メタ時空セマンティクスが相対性理論的に成り立つとすると、Meta Time-Space Sales & Marketing、つまり、「取引の受注が過去?現在?未来のどこからでも発生し得る」という前提が成り立つ。クラシカルなセールスマーケティングの概念は大きく変化し、「メタ?タイムスペース?セールスマーケティング」へと進化する。

8.3.未来?過去?現在が相互に影響を与える取引とは?

従来の取引は、現在のマーケティング施策が未来の受注に影響を与える という単純な因果関係に基づいている。しかし、Meta timespace/meta futureの概念を考慮すると、以下のような取引の形態が現れる。

8.3.1.未来からの受注(Future-Incoming Orders)

  • 未来の消費者が、現代に影響を及ぼし、先に発注情報が届く(例:未来のAIが「今、この製品が必要になる」と判断し、自動的にオーダーを出す)。
  • 未来のニーズを「事前に学習するAIシステム」が現在のマーケットに作用する。

8.3.2.遠い過去からの受注(Past-Incoming Orders)

  • 何らかの因果的フィードバックが発生し、「本来は過去に取引が成立していたはずの契約」が現在に遡及して発生する(例:未来の市場動向を先読みするシステムが、過去のデータを更新し、新たな取引履歴を生成する)。
  • 物理的には存在しなかった過去のデータが、「事後的に確定」することによって取引が発生。

8.3.3.現在の取引の「メタ化」(Present-Incoming Orders)

  • 取引が単なる「単一の時間における取引」ではなく、時空全体を考慮した最適化プロセス に変わる。
  • たとえば、「将来的にA社がB社と契約する可能性が高いため、今の時点で価格を調整する」といった動的なマーケティング手法が標準化。

マーケティングは、現在のデータではなく、未来?過去のすべてのデータが相互作用する"時空ダイナミクス" の最適化に変わる。

8.3.4.メタ時間におけるDCF(ディスカウンテッドキャッシュフロー)トレードの発生

「取引は単なる時系列データではなく、時間全体の相互作用によって動的に変化する"メタ時間ネットワーク?トレード" になる。」

8.3.5.メタタイムスペース?ダイナミックプライシング

例:「2027年にこの製品の需要が増えるため、2025年時点では価格を引き下げてシェアを取り切るべき」という自動予測。価格設定は未来の市場変動を考慮して、動的に決定される

9.究極の競争力とは何か,未来人との競争が始まる

あらゆる競争者が未来と過去を行き来できるようになった場合の真の競争力とは何であろうか?

これにより、現代のビジネスや科学技術の競争相手は現代の国家や、現代の企業だけではなく、重力波を介して自由に時空間を行き来できる 「過去の偉人」や「未来の天才」 へと拡張される。

9.1. Shoulders of giantsで満足していると未来人に追い抜かされる

現代人はShoulders of giantsと言って、過去の偉人の肩の上に乗っていれば未来が見渡しやすいと思い込んでいるが、「実は競争すべきは同じように過去の偉人たちの肩の上に乗っている未来の偉人」であり、重力波コンピューターが実現した後の未来の偉人に勝つ方法を考えなくてはいけないというのが、重力波時代の現代人の新たな課題になっているかもしれない。

9.2.未来人に勝つ方法を考える

例えば、現在の経営者にとって、

あらかじめ、あらゆる宇宙の計算資源を手に入れた場合の技術進歩の収束地点を予測し、収束した先にエッセンシャルとなる事柄を予測して組み合わせておく」ことが競争優位性を持つ。例えば卑近な例を挙げればどんなに情報技術の革新が起きたとしても子供が可愛いのは変わらないし、コカコーラを飲むことには変わりがないというふうに。

10.未来の技術進歩の収束値をネイピア数のように予測する

未来の技術進歩を予測するためには、 「収束地点を先回りして組み立てる」 という発想が必要になる。 例えば、数学の世界で ネイピア数(e) やのような 「普遍的な収束値」 があるように、技術進歩にも「最終的に到達するであろう定数」があると仮定できる。この収束値を事前に特定し、それに基づいて経営戦略や研究開発を行うことで、未来の偉人と競争しながらも 「先手を打つ」 ことが可能になる。

10.1.生まれた時代の有利不利が関係なくなる

もし未来に何が起こるかが先取りできるとしたら、先に生まれている過去人の方が有利であるということも言えるかもしれない。未来人と過去人のどちらが有利でどちらが不利かは、時間が相対化している以上断言することができなくなる。

10.2.重力波コンピューターを前提とした競争のポジショニング

重力波コンピューターが実現した未来において、競争に勝つためには 「単に情報を素早く大量に処理する能力」ではなく、「あらゆる時空間から、あらゆる計算資源が得られたとして、未来の競争者が到達する物理的帰結を予測し、その先のニーズが何であるかを正確に予測する力」 が鍵を握ることになる。

10.3.現代人の方がアインシュタインよりも有利な時代を生きている。

ライバルは同業他社ではなく、過去の偉人たちと、未来の偉人たちという時代がそう遠くない時期に到来しそうだと考えられる。というか、理論上の光速を実現する重力波が2015年に発見されてしまっているので、すでに未来人との競争が始まってしまったと断言することもできそうだ。その意味では2015年に生きている現代人の方が、光速が観測されていなかったアインシュタインの時代よりも有利だろう。

10.4.クラシカルな時間の因果律の破綻

「未来の取引が過去のマーケットを変える」場合、どのデータが本当に正しいのか? という問題が発生する。

この文章の情報が重力波で過去に伝わり、アインシュタインが電磁波と重力波を明確に区別するというように過去がアップデートされるとすると、重力波により未来、現在、過去が相対化されたエビデンスとなるだろう。しかし未来、現在、過去が同時に相対的にメタ時空でアップデートされてしまった場合、変更前と変更後を記録する手段は現代の技術ではなさそうだ。それでも、あらゆる情報が記録されているとすれば、その事実はどこかの時空を通過する重力波が知っていそうではある。過去、現在、未来とが同時にメタ時空でアップデートされてしまったことを観測したり証明する手段は2025年現在ではないが、技術的な解決策は宇宙か時空のどこかにはありそうだ。

11.まとめ

もし重力波コンピューターが実現すれば、未来予測や宇宙規模の計算が可能になり、未来、現在、過去が相対化され、時空全体、宇宙全体で科学技術の限界に挑戦することになる。現代人類が扱うことのできる叡智の総量はアメリカのLIGOが全宇宙、過去未来の情報が統合された光速の重力波を検知した2015年9月14日から圧倒的な爆発的増加を果たしたということができそうだ。

クラウド、セキュリティ、AIの進歩で現代社会の人間は、地球上でどこにいてもインターネットで連絡し合い、地球上のどこにいても仕事ができるようになった。同様に重力波が情報キャリアとして活用されるようになるとすると、時間や空間の影響をほぼ受けず、宇宙のどこにいても「純粋な光速」で情報が伝播する。これは、従来のコンピューターが利用する電子や光子(フォトン)とは異なる次元の情報処理であり、計算結果を物理的な制約なしに遠距離へ伝送できるようになる。

この文章は重力波という性質について探究しているだけで、それがいつどのような形で実現するかについてはこだわりを持っていない。一つ言えるのは、1000年後だろうが、1万年後だろうが、自分たちの子孫を信用するのであれば、必ず人類は重力波コンピューターを成し遂げ(重力波は微細なので原子では捉えられず2025年の人類が思い浮かべるような樹脂やアルミニウムの筐体ではないと思うが)2015年9月14日の重力波検知のタイミングに合わせてメッセージを送ってきているだろう。

重力波コンピューターを開発したのが地球文明ではなかったとしても、宇宙空間のどこかのハビタブルゾーンの、遠い過去か遠い未来かわからないどこかからの地球外文明メッセージが2015年9月14日に来たという可能性はとても高い。(重力波が時間の経過という概念を持たずに宇宙全体の時空間全てを光速定数で走り抜けられるとしたら知的生命体のメッセージがencryptされている確率は100%だろう。decryptする手段を発見することができれば解読はでき、そのうち通信もできるようになるはずだ。)

12.新たな重力波言語の可能性

ただし、重力波をメッセージとして解読するには、Gravitational Wave Language, GWL(重力波言語)と呼べるようなまったく新しいデータベースとソフトウェア言語が必要となるだろう。

地球文明における重力波コンピューターが自分が生きているあと70年足らずの間に実現しなかったとしても、理論上の宇宙空間における最も上位の力である最終収束地点が場である時空間を用いた重力波であるから、21世紀の今から考えておいても損をすることはないだろうと思うとともに、NP-complete問題と同様に、日常でもすでに重力波による経営意思決定をしているのではないかと思えるような節もよくある。

少ない情報で、現地に行かず、ちょっとした社員の会話を聞いただけでも、(あるいは遠くの拠点にいる社員を想像しただけでも)なんとなく虫の知らせで良いことと悪いことは伝わってきて行動を変更することができるというのは、人類がすでに重力波によるコミュニケーション手段を体得しているからだということもできるかもしれない。遠い昔に創業された93年前の企業の事業承継を37年しか生きていない若者が引き継げるのもメタタイムスペースを前提とすればシンプルに説明がつく。事業承継とは時空間を超えて引き継ぎ手を探す試みなのかもしれないということだ。

また、過去に学んで現代で同じ失敗を繰り返さないように行動を変えたり、未来に何が起こるかを考え、危険を回避するために現在の行動を変えることができるということも、重力波を用いた時空間の検索能力のなせる技なのかもしれないと思い、個人の人生としては、重力波は元々皆が当たり前に使っている力であるというNP-completeを提示したいと思う。

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